抗糖化コラム

糖化と頭髪

頭皮の糖化現象

加齢とともに頭皮・頭髪の状態が気になっていませんか?男性は特に加齢とともに薄毛が気になってくるはずです。この頭皮・頭髪の状態も糖化現象が起こるのです。

頭皮にも真皮層が存在します。真皮は表皮の約15~40倍(2.0mm~3.0mm)の層で、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などで構成されており、肌のハリや弾力を生み出しています。また、頭皮の真皮層の70%はコラーゲンで、頭皮にハリをもたらしています。

頭皮の糖化現象一方、エラスチンは網目状に構成されたコラーゲンをつなぎ止めている弾力性をもたらす線維成分です。皮膚に弾力性を与えています。そのほか、真皮層には感触や温度を感じる神経終末、体に有用な物質である組織を作り出す分泌腺(汗腺、皮脂線)、毛穴より深部にある毛髪を取り囲む組織である毛包、血管などがあります。

この真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンの糖化が進むと真皮層が硬化し、分泌腺や毛包、血管などに悪影響をもたらします。こうなると毛髪 をつくる活力が衰えていき、さらに髪のハリやツヤという髪質にも悪影響が出てきてしまいます。

髪の成長を司っているのは、毛根にある毛乳頭です。毛乳頭の指令を受けて毛母細胞が分裂し、角化して髪となり、頭皮から伸びていきます。ところが、AGEsが毛根に蓄積すると、毛乳頭と毛母細胞がスムーズに働けなくなるため、十分に毛髪が成長しないうちの抜け毛などのトラブルが発生します。また、毛母細胞のすぐ隣にはメラノサイトがります。

毛母細胞は分裂するとき、ここからメラニン色素を取り込むことによって黒や茶色の毛髪となりますが、メラノサイトにAGEsが溜まるとメラニン色素を十分に供給できなくなって白髪の原因にもなります。

毛髪も糖化する

毛髪も糖化する髪の毛の成分は18種類のアミノ酸が結合したケラチンです。つまりタンパク質です。当然の如く糖化現象が起こります。私たちの研究室では、女性の毛髪(60㎝)を、根元部分から5cm~10cmを基部、25cm~30cmを中部、45cm~50cmを先端部としてカットして、AGEs量を測定したところ、先端部、中部、基部の順にAGEsの量が多いことがわかりました。

このことから、頭皮、毛髪のケアという観点から見ても抗糖化(糖化対策)が注目されてきているのです。