抗糖化コラム

良質の睡眠で抗糖化

睡眠で基礎代謝を上げる

前回お話しした基礎代謝を高めるために、筋トレや食事に加えてもうひとつ大切なのが睡眠です。

「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発化してタンパク質の合成も進み、筋肉や骨が盛んにつくられます。また、眠っている間は筋肉の緊張が解け、疲れた筋肉をリフレッシュする時間ともいえます。つまり基礎代謝に欠かせない筋肉のメンテナンスと強化のために、質の良い睡眠が必要なのです。

若い時のように眠れない

若い時のように眠れない人間の睡眠は、加齢とともに変化していきます。子供の頃から20歳代までは、一般的に寝つきがよく、深い睡眠をとることができます。いわゆる「爆睡」ができるのもこの頃です。ところが30歳代になると、だんだんと深い眠りがとれなくなっていき、若い頃のように爆睡するということができなくなります。

ただ、30歳代では睡眠の質が低下したことに対してそれほど自覚はなく、気にかかってくるのは40歳代以降です。50歳を超えると、睡眠障害を訴える人も多くなります。60歳以上の高齢者になると、「寝つきが悪くなる」「深い眠りがとれなくなり、眠りが浅くなる」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚める」といった症状に悩む方が増加します。

若い人の場合、就寝後10分ほどで浅い眠りから深い眠りに移行し、深く眠るまで30分ほど要します。これが30分ほど続いた後、眠りが浅くなりレム睡眠に移行します。一方高齢者は、入眠まで40分ほど要します。

しかも、深い睡眠までたどり着けずに、浅い眠りに逆戻りしてしまいがちです。布団の中にいる時間に対して、実際に睡眠している時間の割合を「睡眠効率」と呼びますが、30歳代ではこれが100%に近いのですが、高齢者になると約70%にまで低下します。つまり布団の中で長時間過ごしていても、熟睡できなくなっているということです。

高齢者が眠れなくなる原因の一つは、睡眠の質を高める働きがあるホルモン「メラトニン」の分泌量が減少することです。健康的な睡眠のためにはメラトニン分泌を促すような睡眠環境を維持することが大切です。

メラトニンを分泌させる睡眠の仕方

メラトニンを分泌させる睡眠の仕方メラトニンは私たちが暗いところで寝ている間に分泌され、明るくなると分泌を弱めます。瞼を通じて明るい光を感じると分泌しなくなるのです。したがって、メラトニンをたくさん分泌させるためには、真っ暗な環境で眠ることが大切です。

夜に暗い部屋で寝ていても急に明かりをつけるだけで、例え寝ている人が目覚めなくともメラトニンの分泌は即座にストップします。

また、メラトニンは「体内時計」を司る働きをもっています。朝になって光を浴びるとメラトニンの分泌が止まって体内時計はリセットされ、そこから約14時間後に再び分泌がはじまるようにセットされるのです。ここで大切なのは、朝起きたらカーテンを開けて朝の光を存分に浴び、メラトニンの分泌を一度ピタッと止めることです。

こうすればきちんと14時間後にメラトニンの分泌が始まりますが、朝起きても暗いところでだらだらしていると、メラトニンの分泌もだらだらと続いてしまい、体内時計も狂いがちになってしまいます。

6時間以上の睡眠をとりましょう

私たちの研究室で、睡眠とAGEsの関係を調べたところ、6時間以上睡眠をとる人の群と、それ以下の群では皮膚中に沈着しているAGEsの量が違っていました。6時間未満の睡眠の群はそれ以上の人たちよりもAGEsの量が多かったのです。

肌の新陳代謝がもっとも活発なのは夜、眠っているときです。恐らく睡眠不足が続くと肌に溜まったAGEsが代謝・排泄されません。ですから良質の睡眠を6時間以上とることが、抗糖化の観点からも大切なのです。