抗糖化コラム

食べる順番が大切

食べる順番が大切

“糖化を避ける食べ方”-それは食べ方、つまり食べる順序にあります。食事の内容も大事ですが、血糖値を上げやすい食材・食品(炭水化物など)は、できるだけ後回し、つまり少しだけ後に食べように心がけましょう。

食事の最初に野菜を食べると、野菜に多く含まれる食物繊維が糖質の吸収を抑えてくれ血糖値の急上昇を防いでくれます。とんかつ定食を例に、食べる順番をマスターしましょう。まず、①キャベツを食べます。野菜の小鉢などがある場合は、一緒に先に食べましょう。次に、②メインのとんかつを食べます。汁物を一緒にいただくと満足度も高くなりますね。そして最後に、③ごはんをいただきます。

懐石のコース料理のように、季節の野菜(山菜)料理が出て、その後に吸い物、刺身、煮物、揚げ物、蒸し物、そしてようやくご飯と味噌汁、最後にデザートが出ます。このように食物繊維が豊富でGI値の低いものから順に、しかも1品ずつゆっくり食べるため、血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。また、この「懐石食べ」では、血糖値の上昇を緩やかにするだけではなく、ゆっくり食べることで、通常より少ない糖質量で満腹感を得ることができます。この食べ方が急激に血糖値を上げないコツです。

下にご飯とサラダで食べる順番を変えて血糖値とインスリンの推移がどうなるかを表した城西大学の金本先生のデータを参考に載せておきます。

血糖値とインスリンの推移

このように、食べる順番を考えるだけで急激な血糖値の上昇や過剰なインスリンの分泌をさけることができるのです。

ゆっくり時間をかけて食事をしましょう

私たちが満腹感を感じるしくみには「レプチン」というホルモンが関係しています。レプチンは、食べてから20~30分すると分泌されはじめます。血液中にレプチンが流れて血中のレプチン濃度が上がり、脳に「もうたくさん食べたのでお腹がいっぱいです」という満腹シグナルを出して食欲を低下させます。

ゆっくり時間をかけて食事をしましょうですから5分や10分で食事を平らげてしまっては、レプチンによる満腹シグナルが間に合わず、空腹感が収まらないのでついつい余分に食べてしまう。早食いは食べ過ぎのもと。ですから食事はできるだけ20分以上かけて食べましょう。そうすれば、余分にカロリーを摂取することもなく、急激な血糖値の上昇も抑制できます。

また、レプチンは脂肪組織にも作用し、エネルギー代謝の増大を促します。カロリーをエネルギーとして燃やしましょうという指示です。早食いをするのではなく、ゆっくり味わいながら食べるようにと言われるのはこのためです。

ゆっくり食べるコツをひとつ伝授しましょう。
ひと口食べたら必ずお箸をおくこと。ただこれだけです。マナーの上でもエレガントな印象になりますから一度お試しください。