抗糖化コラム

異性化糖の糖化リスクは10倍以上

異性化糖の糖化リスクは10倍以上

果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあります。今回は血糖値を急激に上げてしまい糖化リスクを一気に高めてしまう「異性化糖」についてお話します。

異性化糖とは、果糖またはブドウ糖を主成分とする糖のことで、サツマイモやトウロモコシ、ジャガイモなどのデンプンを酵素で糖化した後、その一部を別の酵素で異性化させたものが成分となります。

異性化糖製品は以下のように分類されます。

  • ブドウ糖果糖液糖
    果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のもの。
  • 果糖ブドウ糖液糖
    果糖含有率が50%以上90%未満のもの。
  • 高果糖液糖
    果糖含有率が90%以上のもの。
  • 砂糖混合異性化液糖
    上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)。

異性化糖の糖化リスクは10倍以上“果糖”が多く含まれる果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などは、砂糖よりも価格が安いため、市販のジュースなどの清涼飲料水、スポーツドリンク、ドレッシング、焼き肉のたれなどの私たちの身近にある多く食品に配合されています。

みなさんも是非ご自分の冷蔵庫を開けて、食品成分の表示を確認してみてください。これらが配合された食品は糖化を大きく促進するリスクがありますので、とりすぎに注意することが必要です。

糖化リスクはブドウ糖の10倍以上

糖化リスクはブドウ糖の10倍以上“果糖”は、食事や飲み物で摂取すると、消化酵素に分解されず、そのままの形で腸から吸収されます。血液中に入ると、大部分は直接細胞の中へと入っていきます。

ブドウ糖のようにインスリンが関与することはありません。そしてブドウ糖の10倍以上も糖化を早めます。”果糖”によって生成されるAGEsは、次の実験でも以下のように、ブドウ糖より大幅に増えています。

ブドウ糖と果糖の反応比較

残りの果糖は肝臓に入って肝臓内の酵素の働きで、一部はグリセリドという中性脂肪に変化し、さらに一部はブドウ糖へと変化します。

グリセリドは脂肪細胞へせっせと送り込まれますから、肥満の原因にもなります。ですから果糖の摂りすぎは禁物なのです。

最後に、果物には果糖が多く含まれていると勘違いされやすいのですが、実は果物はそのものの果糖含有量はそれほど多くありません。しかもビタミン類や食物繊維なども豊富に含まれているので、適量をゆっくり食べる分にはまったく問題ありません。