GI(グリセミックインデックス)とは、どれくらいの速度で血糖値が上昇するかを数値化したものです。
ブドウ糖を基準値100としているので、この数値に近いほど血糖値の上がる速度は速く、低い数値ほどその速度は遅く、糖化リスクも低い食品ということになります。糖化リスクだけを考えれば、できるだけGI値の低い食品を摂取することが望ましいのですが、それだけですと毎日の食事に彩りが欠け、美味しく頂けなくなるどころか、さらに栄養のバランスまで欠けてしまいます。それでは本末転倒ですね。食事に低GI値(GI値60以下が目安)の食品を組み合わせることが大切です。
糖化リスクは血糖値が急激に上がることと高血糖の状態が長期に続くことで増大するということは各コラムで触れてきました。ここで改めて次の表をご覧ください。
朝食を抜けば昼食で急激な血糖上昇を招くことや異性化糖を多く含む食品はなるべく避けること、野菜や果物を先に食べることなど様々な観点から、AGEs(蛋白糖化最終生成物)という老廃物が体内に蓄積しさまざまな異変や病気を招くという糖化リスクについてお話をしてきました。
この糖化リスクを回避するもう一つの視点、それが低GI値の食品を組み合わせて摂る食事のあり方です。例えば、高GI値の精白されたお米や小麦粉で作られたパンを主食にするなら、低GI値の低い野菜や果物、豆類、乳製品などを組み合わせるなど。次の表を参考にバランスの良い食事を心がけていきましょう。
食材 | GI値 | 食材 | GI値 |
---|---|---|---|
穀類(炊いた状態) | 果物 | ||
白米 | 84 | パイナップル | 65 |
赤飯 | 77 | その他 | 60未満 |
玄米 | 56 | 野菜類 | |
五穀米 | 55 | じゃがいも | 90 |
パン類 | にんじん | 80 | |
菓子パン(あんパン) | 95 | やまいも | 75 |
フランスパン | 93 | とうもろこし | 70 |
食パン | 91 | かぼちゃ(西洋、皮なし) | 65 |
バターロール | 83 | 長いも | 65 |
ベーグル | 75 | さといも | 64 |
クロワッサン | 68 | さつまいも | 55 |
ライ麦パン | 58 | かぼちゃ(西洋、皮あり) | 54 |
全粒粉パン | 50 | その他 | 60未満 |
めん類 | 砂糖類 | 90以上 | |
うどん | 80 | 豆類 | 60未満 |
インスタントラーメン | 73 | 肉類 | 50未満 |
そうめん | 68 | 魚介類 | 50未満 |
パスタ | 65 | きのこ類 | 40未満 |
中華めん | 61 | 乳製品 | 40未満 |
そば | 59 | 鶏卵 | 30 |
春雨 | 32 | 海藻類 | 30未満 |
食材 | GI値 |
---|---|
穀類(炊いた状態) | |
白米 | 84 |
赤飯 | 77 |
玄米 | 56 |
五穀米 | 55 |
パン類 | |
菓子パン(あんパン) | 95 |
フランスパン | 93 |
食パン | 91 |
バターロール | 83 |
ベーグル | 75 |
クロワッサン | 68 |
ライ麦パン | 58 |
全粒粉パン | 50 |
めん類 | |
うどん | 80 |
インスタントラーメン | 73 |
そうめん | 68 |
パスタ | 65 |
中華めん | 61 |
そば | 59 |
春雨 | 32 | 果物 |
パイナップル | 65 |
その他 | 60未満 |
野菜類 | |
じゃがいも | 90 |
にんじん | 80 |
やまいも | 75 |
とうもろこし | 70 |
かぼちゃ(西洋、皮なし) | 65 |
長いも | 65 |
さといも | 64 |
さつまいも | 55 |
かぼちゃ(西洋、皮あり) | 54 |
その他 | 60未満 |
砂糖類 | 90以上 |
豆類 | 60未満 |
肉類 | 50未満 |
魚介類 | 50未満 |
きのこ類 | 40未満 |
乳製品 | 40未満 |
鶏卵 | 30 |
海藻類 | 30未満 |
低GI値の食品にだいたい共通するのが、糖質量が低く、ゆっくりと吸収されるというもの。そのためお腹でゆっくりと消化と吸収がおきるので腹持ちがいいのが特長です。抗糖化とダイエットはお腹と背中のような関係。ダイエットの視点から観てもとても良いですね。
古い話ですが、戦国時代の武士たちは、その腹持ちの良さから“蕎麦味噌(そばみそ)”をよく食べていたそうです。そば粉と味噌から作られる蕎麦味噌ですが、GI値はそば(乾燥)50、味噌34とどちらも低いものの組み合わせです。大豆タンパクやビタミン、食物繊維が豊富に含まれている蕎麦味噌は体力の消耗の激しい合戦の現場では命をつなぐ大切な食事だったそうです。もし蕎麦味噌が急激に血糖値を上げる食品で出来ていたら果たしてどうなっていたでしょう。
ここぞという時にはよくても、長い持久戦を強いられる合戦の現場では気力も集中力も長続きできず、戦況はまるで変わっていたかもしれません。歴史は今の私たちが知っているものとは違って、私たちの日本社会も文化も、もしかしたらまるで変ったものになっていたかもしれません。たかが食事、されど食事ですね。
そう考えると、私たち個人においても同じことが言えるのではないでしょうか?私たちの身体は、私たちが普段から食べているもので出来ているのです。次のような有名な言葉があります。
You Are What You Eat.
あなたが食べているものがあなた自身です
なにげなく口に運んでいる食事。でも、食事はあなたの未来を創っているといっても過言ではありません。