抗糖化コラム

運動で抗糖化

基礎代謝が大切です

基礎代謝とは、人が安静状態で1日に消費するエネルギー量のことです。つまり、人が生きていくために必要な最低限のエネルギー量で、40代の女性(標準体重53kg)なら1,150kcal程度です。

このほか家事や仕事をしたり、食事をしたりすることでもエネルギーを消費しますが、それらをすべて合わせた1日の消費エネルギーのうち、基礎代謝は約60%を占めています。

基礎代謝が大切です人の体は骨や筋肉、血管、内臓などでできていますが、このうち安静時に最もエネルギーを消費するのが筋肉、逆に最もエネルギーを消費しにくいのが脂肪です。つまり、筋肉が多くて脂肪が少ないほど基礎代謝は高くなるというわけです。けれど、成長期を過ぎれば筋肉は年齢とともに減っていきます。

とくに運動をしない場合、その量は年に1%といわれています。30年で30%、40年なら40%も筋肉が減って逆に脂肪が増え、基礎代謝が下がっていくというわけです。

つまり基礎代謝は、年齢が上がるとともに次第に低下していきます。20歳ぐらいまでは何を食べても太らなかったのに最近は同じように食べてもすぐ太る、そんな経験はありませんか。

それは基礎代謝が落ちて基本的な消費エネルギー量が減り、余ったエネルギーが脂肪となって蓄えられるからです。基礎代謝の低下は40代から50代にかけて急激に早まりますから注意が必要です。

基礎代謝を上げましょう

基礎代謝を上げましょう基礎代謝を上げるというのは、安静時のエネルギー消費量を増やすということ。安静時に最もエネルギーを消費してくれるのは筋肉ですから、安全かつ効率的に基礎代謝を上げるには有酸素運動やストレッチよりも筋トレが適しているといえます。

ただし、筋トレと有酸素運動を厳密に区別することはできません。人の体のなかで最大の筋肉は太ももにある大腿四頭筋なので、ウォーキングなどでこうした筋肉を鍛えるのも基礎代謝を高める方法のひとつです。

また、筋肉をつけるために、食事で大切なのはタンパク質です。傷ついた筋肉を修復・強化するために欠かせません。また、タンパク質は体のなかでアミノ酸に分解されて吸収されますから、直接アミノ酸のサプリメントを摂るのもいいでしょう。

その場合、食間の午前10時や午後3時、就寝前などが効果的です。この時間帯は食事で摂ったアミノ酸が小腸や肝臓で飽和状態になっているため、新たに摂ったアミノ酸が血流に乗って末梢に運ばれ、筋肉づくりに効率よく使われるからです。

基礎代謝を上げると抗糖化

基礎代謝を上げると抗糖化の観点から良い点が2つあります。1つはブドウ糖を消費しやすい、エネルギー代謝のいい身体になっていきます。もう一つは、肥満した脂肪細胞をスリムに戻す点です。

脂肪細胞は皮下脂肪と内臓脂肪に分けられますが、前者はエネルギーの長期貯蔵庫、後者は短期貯蔵庫の役割を果たしています。このため内臓脂肪は余分な脂肪が溜まりやすい構造になっています。特に小腸周辺の脂肪細胞はどんどん太って腸間膜にはりつきます。これが下腹ぽっこりの原因です。

この肥満した脂肪細胞は正常に働きません。インスリンの効き目を悪くしてしまうTNF-αやレジスチンなどの悪玉物質を分泌するようになります。これでは血糖値が上がりっぱなし。糖化を加速してしまうのです。